Femtech Global Insights Library
Glossary

フェムテック用語集

45 Terms
フェムテック Femtech
医療・生理・妊孕性

Female(女性)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、月経、不妊、妊娠・出産、更年期など女性特有の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスを指す。日本では経済産業省が実証事業などを通じて普及を後押ししている。ただし、公的に確立した定義があるわけではなく、報告書ごとに範囲の捉え方が異なる。

月経周期 Menstrual cycle
医療・生理・妊孕性

月経周期とは、月経が始まった日を1日目として数え、次の月経が始まる前日までの期間をいう。25〜38日であれば正常範囲とされる。周期は卵胞期、排卵期、黄体期に区分され、エストロゲンとプロゲステロンなどのホルモンの増減により制御されている。

卵胞期 Follicular phase
医療・生理・妊孕性

月経周期のうち、月経の初日から排卵までの期間をいう。この間に卵巣内で複数の卵胞が育ち始め、後半には1つの卵胞だけが成熟を続けてエストロゲンを分泌する。エストロゲンの上昇により子宮内膜が厚くなる。

黄体期 Luteal phase
医療・生理・妊孕性

月経周期のうち、排卵後から次の月経が始まるまでの期間をいう。排卵後の卵胞は黄体に変化し、プロゲステロンを分泌してエストロゲンとともに子宮内膜をさらに厚くする。受精が起こらなければ黄体は退化し、ホルモンが低下して子宮内膜が剥がれ、次の周期が始まる。

排卵 Ovulation
医療・生理・妊孕性

卵巣内で成熟した卵胞から卵子が排出される現象である。黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)が急増したのち、その約32〜36時間後に起こるとされる。この時期にはエストロゲンの血中濃度がピークに達し、プロゲステロンが上昇し始める。

基礎体温 BBT Basal body temperature
医療・生理・妊孕性

基礎体温とは、生命の維持に必要最小限のエネルギーしか使っていない安静時の体温で、朝起きてすぐに婦人体温計で測る。排卵後はプロゲステロンの作用で体温が0.3〜0.5℃ほど上がるため、低温期と高温期の二相に分かれていれば排卵があったと推定できる。低温期が続き高温期がはっきりしない場合は、無排卵の可能性がある。

月経前症候群 PMS Premenstrual syndrome
医療・生理・妊孕性

月経前の時期に、腹部の張り、肩こり、頭痛、むくみ、イライラ、意欲低下などの身体的・精神的な不調が現れる状態をいう。月経のある女性のおよそ2〜10%にみられるとされるが、原因は明確には分かっていない。

月経前不快気分障害 PMDD Premenstrual dysphoric disorder
医療・生理・妊孕性

月経前症候群(PMS)のうち、症状の程度が強いものにつけられる病名である。PMSと同様に月経前の時期に心身の不調が現れるが、重症型として区別される。診断は医療機関で診断基準に基づいて行われる。

月経困難症 Dysmenorrhea
医療・生理・妊孕性

月経に伴う痛みが強く、日常生活に支障が出る状態をいう。子宮筋腫や子宮内膜症などの病変がないものは機能性月経困難症と呼ばれ、病変が背景にある場合もある。低用量ピル(LEP)は月経困難症や子宮内膜症の治療薬として保険適用されている。

過多月経 Heavy menstrual bleeding
医療・生理・妊孕性

経血の量が非常に多い状態をいう。正常な月経では出血量はおよそ20〜140ml、期間は3〜7日、周期は25〜38日とされ、これを目安に量や期間の異常が捉えられる。

多嚢胞性卵巣症候群 PCOS Polycystic ovary syndrome
医療・生理・妊孕性

排卵障害による月経不順を主な特徴とする症候群で、生殖年齢の女性の約5〜10%にみられるとされる。月経不順のほか、排卵障害による不妊、多毛やにきび、肥満、インスリン抵抗性などを伴うことがある。診断基準は国際的にはロッテルダム基準が広く使われ、日本では月経異常を必須とする基準が用いられてきた。

子宮内膜症 Endometriosis
医療・生理・妊孕性

子宮内膜に似た組織が、腹膜や卵巣など子宮の外で増殖する疾患で、痛みや臓器の癒着を起こすことがある。生殖年齢の女性の5〜10%にみられると推定され、主な症状は月経痛などの痛みと不妊である。閉経後には大きく減少する。

子宮筋腫 Uterine fibroids
医療・生理・妊孕性

子宮にできる良性の腫瘍で、がんではない。エストロゲンの影響で大きくなり、閉経後には小さくなることが多い。主な症状は過多月経とそれに伴う鉄欠乏性貧血で、30歳以上の女性の3割前後に認められるといわれる。

エストロゲン Estrogen
医療・生理・妊孕性

主に卵巣から分泌される女性ホルモンで、排卵や月経をコントロールする。子宮内膜を厚くして妊娠に備えるほか、乳房の発達、自律神経の安定、骨量の維持、コレステロールのバランス調整、肌の潤いの維持などに関わる。

プロゲステロン Progesterone
医療・生理・妊孕性

エストロゲンと並んで主に卵巣から分泌される女性ホルモンで、排卵や月経のコントロールに関わる。子宮の働きを妊娠に適した状態に整えるほか、乳腺の発達、体温の上昇、食欲の増進、水分の貯留、眠気、気分の不安定化などに関係する。

更年期 Climacterium / Menopausal transition
医療・生理・妊孕性

閉経の前後の時期をいい、周閉経期とも呼ばれる。加齢により卵巣からのエストロゲン分泌が減少することで、からだの変化が生じやすい時期にあたる。人によっては40歳代から症状を自覚することもある。

閉経 Menopause
医療・生理・妊孕性

1年間月経がない状態を閉経という。日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳とされる。閉経の前後は、卵巣から分泌されるエストロゲンが加齢とともに減少する時期である。

更年期障害 Menopausal syndrome
医療・生理・妊孕性

更年期にエストロゲンの減少などに伴って現れる身体的・精神的な症状のうち、日常生活に支障をきたすものをいう。症状は多岐にわたり、ほとんど気づかない人から生活に大きく支障が出る人まで程度に個人差が大きい。

ホルモン補充療法 HRT Hormone replacement therapy
医療・生理・妊孕性

女性ホルモンの低下によって生じる症状に対する治療法の一つで、不足するホルモンを薬剤で補う方法である。剤形には内服薬、貼り薬、ジェルなどがあり、漢方薬と組み合わせて用いられることもある。実施の可否は医師の診察を経て判断される。

妊孕性 Fertility (ability to conceive)
医療・生理・妊孕性

妊娠するための力のことをいい、「にんようせい」と読む。女性だけでなく男性にも用いられる概念である。がん治療などで妊孕性が低下する可能性がある場合に、とくに話題となる。

妊孕性温存 Fertility preservation
医療・生理・妊孕性

将来、自分の子を持つ可能性を残すために、卵子、精子、胚(受精卵)などを凍結して保存する選択肢をいう。がん治療などにより妊孕性が低下するおそれがある場合に検討される。治療開始前に主治医とよく相談することが勧められている。

不妊症 Infertility
医療・生理・妊孕性

日本では、妊娠を希望する健康な男女が避妊をせずに性交を行っても1年間妊娠しない状態を不妊症と定義している。排卵がない場合や子宮内膜症などがある場合、女性が高年齢の場合は、1年を待たずに検査や治療を始めることもある。日本では約4.4組に1組のカップルが不妊に悩んでいると報告されている。

体外受精 IVF In vitro fertilization
医療・生理・妊孕性

生殖補助医療(ART)の一つで、薬剤で卵巣を刺激して採卵した卵子を、体外で精子と受精させる方法である。受精卵は数日間培養し、その胚を子宮に移植する。新鮮胚を移植する場合のほか、胚を凍結して後の周期に移植する場合もある。

顕微授精 ICSI Intracytoplasmic sperm injection
医療・生理・妊孕性

体外受精の一種で、採卵した卵子に精子を1個ずつ直接注入して受精させる方法である。卵子と精子を培養皿の中で自然に出会わせる通常の体外受精とは異なり、精液の状態が悪いなど通常の方法では受精が難しい場合に選択される。

人工授精 IUI Intrauterine insemination
医療・生理・妊孕性

排卵の直前に、運動している精子を選別して子宮の中に注入する不妊治療である。一般不妊治療の一つとされ、通常は排卵を促す治療のあとに行われ、体外受精や顕微授精に進む前の段階に位置づけられる。

卵子凍結 Oocyte cryopreservation
医療・生理・妊孕性

卵巣から針で採取した卵子を凍結して保存することをいう。将来の妊娠の可能性を残す手段となりうるが、妊娠を保証するものではない。がん治療前に行う医学的な目的のものは妊孕性温存療法と呼ばれ、健康な女性が将来に備えて行う場合もある。

AMH(抗ミュラー管ホルモン) AMH Anti-Müllerian hormone
医療・生理・妊孕性

発育途中の小さな卵胞から分泌されるホルモンで、残っている卵胞の数を反映する間接的な指標として、卵巣予備能の推定に用いられる。個人差が大きいため正常範囲は設定できず、半定量的な指標として扱われる。25歳頃をピークに低下し、閉経時期の予測には有用性が低いとされる。

着床前遺伝学的検査 PGT Preimplantation genetic testing
医療・生理・妊孕性

体外受精で得られた胚について、染色体の数や構造、特定の遺伝子配列を調べる検査である。目的別にPGT-A(染色体数の異常)、PGT-SR(染色体の構造異常)、PGT-M(単一遺伝子疾患)の3種類に分けられる。生命倫理上の配慮が必要とされ、日本産科婦人科学会は実施を認可施設に限っている。

不育症 Recurrent pregnancy loss
医療・生理・妊孕性

妊娠はするものの、流産や死産を繰り返して生児を得られない病態をいう。流産が2回続く場合を反復流産、3回以上続く場合を習慣流産と呼ぶ。流産は妊娠の約15%に起こるとされ、不育症の頻度は約5%と報告されている。

出生前検査 Prenatal testing
医療・生理・妊孕性

妊娠中に胎児の状態を調べる検査の総称である。羊水検査や絨毛検査のような侵襲的で確定的な検査と、母体血清マーカー検査、コンバインド検査、NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)のような非侵襲的で非確定的な検査に大別される。日本ではNIPTの対象は13、18、21番染色体の数的異常に限られており、結果が妊娠の継続に影響しうるため倫理的・社会的な配慮が求められる。

※ 用語の説明は一般的な解説であり、診断・治療・法的助言ではありません。